Sadao KUROHASHI - Technical writing (In Japanese)
Last Modified: Jan 22, 2010

論文の書き方について


(特に卒論,修論を書く学生の方へ)

1.よくタイトルを考える
2.適当に章立てを考える
3.よく,各章で何を書くかを考える
	各章の内容を10項目ぐらいで箇条書き.
	ここでよく考えて章立てをかえてもよい.

★ ここで先生にみせる

4.最終論文の各文に対応する程度の細かさで,何を書くかを考える.
	まだメモ的でよい.表現,テニヲハにはこだわらない.

★ ここで先生にみせる.

5.用語の統一を行い,重要な図表などは書く

★ ここまでちゃんとできれば内容的には論文はできたようなもの.

6.日本語の文にする.
	(ちなみにここで英語の文にすれば英語の論文になる)
	ここからは作文テクニックの問題だが,大学生にとってはこれが大変.
	日本の小中高教育ではまったく教わらない.
	卒論・修論の分量なら本当は一月ぐらいかけて書く必要があるが..
	

★ 学生によくみられる問題は,3,4の論文内容の問題と,6の作文テクニッ
クの問題を同時に悩んで,1文も書きすすまずに1時間,2時間と時間がたつ.
それはやめましょう.


その他の注意事項

- 各章,節のはじめにはそこでの議論の気持ちを書く.単にタイトルをくりか
  えし「本節では<タイトル>について述べる」はだめ.

- 繰り返し使う重要な概念は,ずっと連体修飾の名詞句などにせず,複合名詞
  を定義・導入する.この複合名詞は最初からばっちりなものを思いつかなく
  ても,暫定的なものでもよい.書いてるうちに別のいいものが思いつくこと
  もあるし,最後に決定して置換すればよい.

- 重要な用語の初出は太字に

- 図はできるだけページの頭に.

- 参考文献は[1]などではなく[Smith 98]などに.



参考文献
木下是雄:理科系の作文技術, 中公新書, 1981.
本多勝一:日本語の作文技術, 朝日文庫, 1982.
塚本真也:知的な科学・技術文章の徹底演習, コロナ社, 2007.

kuro@i.kyoto-u.ac.jp