* 述部意味関係コーパス [#f64b4a52]

ある名詞が与えられ、その名詞に関係性の強い「格-述部」ペアに対して、同義・含意・反義・無関係のいずれかが付与されています。

- 名詞[本]に対して,同義: 「本を出す」 = 「本を出版する」
- 名詞[本]に対して,含意: 「本を即買する」 → 「本を購入する」
- 名詞[信号]に対して,反義: 「信号を渡った」 ⇔ 「信号にひっかかった」
- 名詞[信号]に対して,無関係: 「信号を見る」 × 「信号が光る」 

反義関係はさらに以下に分類しています。

- ある状態の起点と終点(経時反義)~
例: 「電車に乗る」 ⇔ 「電車から降りる」, 「ホテルに行く」 ⇔ 「ホテルから帰る」
- 立場/視点が違う(視点反義)~
例: 「車を売る」 ⇔ 「車を買う」
- 真逆の属性を表す(属性反義)~
例: 「重心が高い」 ⇔ 「重心が低い」, 「判決が無罪」⇔「判決が有罪」

以下に例をあげます。

 被害-ヲ-与える  被害-ヲ-もたらす        同義
 被害-ヲ-もたらす        被害-ヲ-出す    同義
 被害-ガ-甚大だ  被害-ガ-大きい  含意
 被害-ヲ-受ける  被害-ヲ-与える  反義    視点反義
 被害-ガ-多い    被害-ガ-少ない  反義    属性反義
 被害-ガ-拡大    被害-ヲ-免れる  無関係

1行が1セットで、カラムはタブ区切りになっており、それぞれのカラムは以下を表しています。

- 1カラム目 名詞-格助詞1-述部1
- 2カラム目 名詞-格助詞2-述部2
- 3カラム目 関係 (同義/含意/反義/無関係)
- 4カラム目 関係が反義の場合、反義細分類 (経時反義/視点反義/属性反義)

述部は原形になっています。また、[否定]、[受身]、[使役]などの素性が付与されている場合があります。例えば文中の表現「使われる」は「使う[受身]」と表現されています。

データの規模は名詞数880個、述部ペア10,023個です。

このコーパスはNTTとの共同研究「言語表現の多様性に頑健な情報抽出に関する研究」で作成されたものです。

** ダウンロード [#z78bff38]
[[述部意味関係コーパス:http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/DLcounter/lime.cgi?down=http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/predicate_evaluation_set/predicate_evaluation_set.txt&name=predicate_evaluation_set.txt]] (507K)

** 参考文献 [#r9df0103]
- 泉朋子 (NTT), 柴田知秀 (京大), 浅野久子, 松尾義博 (NTT), 黒橋禎夫 (京大):~
述部意味関係コーパスの構築, 言語処理学会 第20回年次大会, pp.690-693 (2014.3).

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